「吉松隆 交響曲工房」 をみました. これだけおおくの情報を Web に書いている作曲家はめずらしい. デビュー作品の 3 回のオーケストラ演奏会でもらった著作権料が 7800 円だったとか,どうやって作曲しているかという話題がおもしろい.
自家製〈回想録〉「私は (たぶん) 作曲家である」 によれば,オーケストラの委嘱をうければ 50 万円から 200 万円もらえるということですが,作曲に何ヶ月もかかることをかんがえれば,それでも十分とはいえないでしょう. 1 回の演奏の著作権料のうち作曲家にはらわれるのはわずか 6% であり 2600 円にしかならなかったと書いていますが,これはショッキングといってよいでしょう.
吉松自身はそれでも著作権はありがたいと書いていますが,この数字をみると,はたして著作権というのは有効に機能しているのだろうかと,うたがわざるをえません. 委嘱を収入源としているということは,すくなくとも作曲家に関しては著作権はビジネスモデルにならないということを意味しています. レコード会社にとってはそれがビジネスモデルの中心にあるとしても,作曲家が食えないのであれば破綻している,もっとべつのビジネスモデルが必要といってよいのではないでしょうか?
もうひとつおもしろいのは,「作曲工房」 に作曲過程やつかっているツール (ソフトウェア) などについて書いていることです. 私も小学 1 年のころからずっと作曲したいとおもいつつ,いまだに夢をはたすことができませんが,FINALE というソフトがほしくなります.
まだみていませんが,今年 2 月からブログ (日記) をつづけているようです. また,「月刊クラシック音楽探偵事務所」 という,もうひとつべつのブログもあるようです.