Sony BMG (ソニー ビーエムジー) による “Beethoven Complete Masterpieces” という 60 枚組の CD を買いました (2009 年 9 月現在までに廃盤になったようで,リンクは中古商品につながっています). まだわずかしかきいていませんが,デイヴィッド・ジンマン (David Zinman) という指揮者,Yefim Bronfman というピアニストによる交響曲とピアノ協奏曲の演奏は,ベートーベンのダイナミックさをちょっと強調しすぎているようにおもえます.
ふだんあまりきかない交響曲とピアノ協奏曲をきこうということで,交響曲 1 番と 2 番,ピアノ協奏曲 1 番をききました. 交響曲 1 番でもピアノ協奏曲 1 番でも,スフォルツァンドをまぶしたような演奏で,おまけに後者ではピアノとオーケストラがその点でよい勝負をしています. もうすこし,ながれるように演奏してもよいのではないでしょうか? 交響曲とピアノ協奏曲はどれもこういう演奏なのでしょうか? 晩年のカラヤンならどういう演奏をしたのか,きいてみたい気がしてきました.
ところで,この CD の箱はかなりおおきいのですが,実は下の写真のように CD の厚さの合計は箱の幅の半分くらいでしかないのです. あとの半分はむだに場所をくうだけなので,これは最悪です. もっとも,そんなにうすいのは CD がはいっている紙ジャケットがうすいからなのですが… CD 数 10 枚をあつめた廉価版でも,おおくは LP のジャケットのような厚手の紙をつかっていますが,この CD はコピーや印刷につかう上質紙のようなうすい紙をつかっています.
2007-11-19 追記:
交響曲 7 番と 8 番もききましたが,やはり,相当にかわった演奏です.
7 番のはほんとうにこういうリズムで演奏してよいのだろうかとおもってしまいます.
いつもスフォルツァンド風かというと,ところによってはすごくなめらかなレガートで演奏しているところもあります.
どちらも,ふつうはやらないことです.
かわってはいますが,それがよいかということになると……
Wikipedia のデイヴィッド・ジンマンの項目にも 「トーンハレ管弦楽団とは,ベートーヴェンの交響曲全集ならびに序曲全集,ミサ・ソレムニスからなる一連の録音を達成する.
これらは,ベーレンライター新全集版と古楽奏法を採用したモダン・オーケストラによるシリーズ物として,国際的に高い評価を得る反面,解釈の妥当性をめぐって賛否両論に分かれた.」 とあります.
しかし,この CD を買わなかったらきかずにおわった演奏です.
賛否はともかくインパクトのある演奏をきくことができたので,この CD を買ってよかったのだとおもいます.
ついでに,このトーンハレというオーケストラ,なまえはきいていました (たぶん LP か CD ももっている) が,それは 若杉 弘 が音楽監督をしていたことがあるからでした.