近年とくに感じることは,あじつけされた惣菜を買うとかなり甘いことがおおい,その一方で菓子をたべてもあまり甘くないことがおおいということです. 料理が甘くないから菓子の甘みがひきたつのではないでしょうか? 日本のたべものはメリハリがすくなくなっているようにおもえます.
もちろん,ものにもよりますが,一般的には私は甘い料理がすきではありません. 自分でそばつゆなどをつくるときは (料理はほとんどつくらないくせに,甘いつゆがいやで,そばつゆはつくったりするのですが) 砂糖はいれません. もっとも,みりんはすこしいれたりしますが…
最近,「甘さひかえめ」 の菓子がおおいのですが,ためしに Google で 「ケーキ 甘さ」 を検索してみると,「甘さひかえめ」 が上位にならびます. おどろくべきことに,上位 20 件のうち 12 件に 「甘さひかえめ」 がふくまれています.
私は菓子は甘いほうがひきたつとおもいます. 「砂糖類情報」 によると,兵庫県の洋菓子企業,エーデルワイスの比屋根会長はつぎのようにいっていたということです.
日本では料理に砂糖を使用するのに対し,ヨーロッパでは使用せず、糖分は主にお菓子から摂取します. このためお菓子の甘さはヨーロッパのもののほうが強く,日持ちも良いのです. 日本人は甘さを控えてばかりいたが,最近になってやっと 『甘いものは甘くしないとおいしくない』 ということがわかってきたように思います. お菓子に使われる砂糖から風味,まろやかさが出てくるのであって,甘さを抑えていては風味が出ないのです.
「日本人は [中略] 最近になってやっと 『甘いものは甘くしないとおいしくない』 ということがわかってきた」 というのが本当かどうか非常にうたがわしいのですが,菓子には甘さが必要というのはほんとうではないでしょうか? ジャムも砂糖が十分になければジャムにならないのです. 最近の羊羹は甘さひかえめであるため,とけた砂糖からくるねばりづよい本来の食感がでていないようにおもいます. また,「異物混入・期限ぎれの食品は廃棄するべきか?」 という項目にも書いた,最近しばしばおこっている菓子の問題のなかには,砂糖をへらしたために細菌繁殖がおこったものもあるのではないでしょうか? 日本の食品は,あるいは日本人の味覚は,甘さに関して (甘さだけではない?!) どこかおかしくなっているのではないでしょうか?