本書のタイトルからは日常の食卓の問題点を指摘した本のようにみえたが,実際はクリスマスと正月の祝いかたや料理についてのアンケートをもとにした分析が大半をしめている. つまり,むしろハレの食卓についての本である.
最近の日本では正月はしだいにハレの座からひきずりおろされ,かわってクリスマスにハレのやくわりがあたえられている. このハレの場をもりあげるために,中学生・高校生にまでもサンタクロースのプレゼントがおくられる. とはいっても,ハレの場をつくるのに家族が共同作業をするわけではなくて,それぞれバラバラに自分のやりたいことをやり,たべたいものをたべる.
アンケートにこたえた主婦のおおくは,おせち料理など日本の伝統を継承していくべきだし自分もそうしたいと書きながら,それとはまったく反する行動をしているという. 著者はそこにするどい危機感を感じている. これだけの情報から結果をどう解釈したらよいのか私にはよくわからないが,現代の家庭・食卓への警鐘として,読むべき本だとおもう.
評価: ★★★★☆
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