著者は産業デザインを批判し,ポストモダンを否定するようなことばを書いている. そして,この本のなかにあらわれるデザインたちは,iPod などよりはるかに以前のものから,白を中心とするモノトーンな世界である. この本じたいが,デザインの本にありがちなカラーページのおおいものではなく,白と黒だけのデザインである. それは,著者が担当している無印良品の思想にもつながっている.
著者はつぎのように書いている. 「僕の専門領域はコミュニケーションであるが,その理想は力強いヴィジュアルで人々の目を奪うことではなく,五感にしみ込むように浸透していくことであると考えるようになった.」 このことばの後半は納得のいくものだが,私にとってはこの本に何回か出現する 「コミュニケーション」 ということばが,まだひっかかったままである.
評価: ★★★★☆
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