本書は序奏とコーダとして対話があり,そのあいだに金によるベートーベンの 9 個の交響曲についての解説 (変奏曲?) がある構成になっている. 他の作曲家の交響曲とくらべて非常に特徴的なのは,1 曲 1 曲のすべてが完全に独立していて,構造や作風やつたえようとしたメッセージもすべてちがうと書いている. また,交響曲第 5 番が古典派としての頂点としての完璧な作品であり,同時に作曲された第 6 番がロマン派への入口だという. ここまではだいたい私自身がかんがえていたことと一致している. やや意外だったのは,交響曲のなかにあるダサいところや,よわいところが指摘されている点である. 演奏するときに,なるべくはやくとおりすぎたい部分もあるという. いろいろとおもしろい本である.
評価: ★★★★☆
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