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個人ごとのニーズにこたえていた HP 社のオフィス ― 共同開発での経験

私は 「2 つの他社での経験 ― ドキュメントに関するかんがえかたのちがい」 という項目にも書いたように,2000 年に会社から Hewlett Packard (ヒューレット・パッカード社, HP) 社に 1 カ月ほど “派遣” されて,共同開発のプロジェクトにたずさわったことがあります. HP 社には日本の会社にちかい部分もあって,そのために共同開発がうまくいっているという面もあるようにおもいますが,もちろん,ちがうところもいろいろあります. もうずいぶんまえのことになってしまいましたが,いままで書く機会がなかったので,そのとき感じたことを書いてみたいとおもいます.

当時,日本の会社でもしだいに個人のワークスペースをパーティションでくぎるようになってきていましたが,HP 社 (Fort Collins のオフィス) では,たちあがるとようやくとなりのワークスペースがのぞけるかどうかというくらいのたかさのパーティションでくぎられていました. 日本のオフィスではひとりあたりの面積は机 2 個分くらいが普通かとおもわれますが,HP 社ではその 2 倍くらいはあったとおもいます. 日本のオフィスとおなじように大部屋であり,部長でも個室はもっていませんでした. アメリカではすくなくとも管理職は個室をもっていることがおおいとかんがえられるので,比較的,日本のオフィスにちかかったといえるのではないかとおもいます. しかし,ここまではだいたい予想のつくことでした.

しばらくそこにいることによってわかってきたことは,パーティションでのくぎりかたが一定ではないということでした. ひとによって比較的ひらかれたワークスペースをこのむひとと,比較的とじたワークスペースをこのむひととがいます. いいかえれば,まわりのひととのコミュニケーションの機会をよりおおくもとめるひとと,とじたスペースのなかで集中して仕事をしたいひととがいます. はっきりときいたわけではありませんが,そういう,ひとりひとりの嗜好やニーズにしたがって,パーティションの数や位置を調整していたのだとおもいます. たとえば,通常はパーティション 2 個分 (2 m くらい) 通路に対してひらかれているところが,ひとによっては 1 個分にせばめられていました. ワークスペース内部の机の配置などもひとによってちがっていました. ひとりあたりのひろさはかわらないのですが,こうすることでひとりひとりのニーズにこたえることができます. これは日本のオフィスよりひとりあたりのスペースがひろいからできることではあるのですが,日本では画一化された (悪平等な) オフィスがおおいのに対して,HP 社では個人の要求にこたえていることに感心しました.

ほかにも感じたことはありましたが,とりあえずはここまでにしておこうとおもいます.

異文化にふれた印象は当然,当時のほうがつよかったはずですが,当時はブログなどというものはなく,こういうことをどこに書いたらよいのかわからないままにしていました. ほかにもこういう,つよい印象をうけながらも書かないままにしていたことを,これからもすこしずつ書いていこうとおもいます.

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