IPv4 アドレスは 32 bit なので,全体が本の幅,ブログなどのテキストの幅にうまくおさめることができます. それは,PowerPoint のようなツールをつかって書くばあいでも,“ASCII で” 書くときも同様です. RFC には通常,つぎのような ASCII 形式で記述されます.
0 1 2 3 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ | ... | +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
しかし,IPv6 になるとこんなにうまくはいきません. RFC に書くには 32 bit ずつ行をかえて書くしかないとおもえます. 1 行のながさをもっとながくしてよいときでも,128 bit ぶんすべてを 1 行に書くには,なにかくふうが必要です. それは “ASCII で” 書くときでも PowerPoint などで書くときでも同様です. 一部をちぢめて書くとか,省略するとかしないと,おさまりません. もっとらくに書く方法はないものでしょうか?
IPv6 の RFC には “ASCII で” 書かれたつぎのような図が記述されています.
0 1 2 3 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ |Version| Traffic Class | Flow Label | +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ | Payload Length | Next Header | Hop Limit | +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ | | + + | | + Source Address + | | + + | | +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ | | + + | | + Destination Address + | | + + | | +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
このばあいはアドレスそのものの構造を書く必要がないので,32 bit で改行しても問題はすくないわけです. しかし,たとえばプレフィクス,サブネット ID,インタフェース ID によって構成されるユニキャスト・アドレスの構造を書こうとすると,これらを横にならべて書きたくなります. アドレスの種類によっては 4 bit ずつくぎられていることもあって (たとえばマルチキャスト・アドレス),全体を比例的に 1 行におさめて書くと 4 bit のわくのなかにはなにも書けなくなります.