太陽光発電や風力発電は化石燃料の使用量をへらし,省エネルギー・温暖化防止のために有効です. しかし,このような自然を利用した発電は自然条件におおきく左右されます. そのため,自然の電力源がすくなくなったときにそなえて,電力会社は火力発電に設備投資することが必要になり,収益を圧迫しています. この問題を解決 (軽減) するのに,電力の需要と供給の関係に応じた価格設定する,つまり価格の変動制が有効だとかんがえられます.
太陽光発電は晴れた日でなければできません. また,風力発電は風がつよいときでなければできません. このような不安定な電力源は,それを買いとることを義務づけられた電力会社にとって,なやみのたねです. これらの自然の電力源から電力があまりえられないときには,化石燃料でそれをおぎなわなければなりません. 自然の電力源を買うことで,火力発電への投資が回収できなくなってしまいます.
このようなことがおこるのは,電力を買いとるときや売るときにこういう自然条件や時刻によるちがいなどが価格に反映されていないためだとかんがえられます. 電力需要がすくないときには電力購買価格,販売価格ともにひくくして,需要がおおいときにはこれらをたかくするようにすればよいのではないでしょうか? こうすることによって,価格がたかいときには消費がおさえられ,生産が拡大するでしょう. 最近は家庭でも現在の消費電力が測定できる器具が出現してきていますが,さらに,現在消費している電力の価格がわかるようにすればよいわけです. 人手で電力消費を調整するのはわずらわしいので,電気器具などに価格に応じて電力消費を調整する機能をくみこめばよいでしょう.
すでに販売価格に関しては夜間電力の価格は通常の電力よりかなり割安に設定されています. このような価格体系を拡大して,通常電力の価格を変動させればよいわけです. 法律やインフラをかえなければ実現できないことなので,そう簡単には実現できませんが,技術的にはそれほどむずかしいことではないとおもわれます. (写真はいずれも Wikipedia から. 「太陽光発電」 の項目の愛知万博長久手会場の太陽電池パネルと,「風力発電」 の項目の竜飛ウィンドファームの写真.)