1988 年に自宅をたてかえたとき,もうすぐホーム・ネットワークがつかわれるようになるだろうとかんがえて,準備しました. しかし,準備した電力線ネットワークはいまだに実現されず,その一方で計画していなかった LAN が必要になりました.
準備したことのひとつは,配電盤のところにブロッキング・フィルタをとりつけることです. これは電力線ネットワークから高調波が外部にもれるのをふせぐものです. 写真は配電盤をうつしたものですが,左端の黒いものがブロッキング・フィルタです. なんのやくにもたっていないのに,ときどきブーンという騒音だけたてています.
ブロッキング・フィルタは現在でも電力線ネットワーク (PLC) には必要だとかんがえられていることがおおいのですが,Panasonic (松下) などは,つけなくてよいといっているようです. 当時かんがえられていたよりはるかに高速のネットワークが開発されたために,高調波がもれるさきとして,宅外の電力線よりも空中にもれて短波通信の障害をひきおこすことのほうが問題だと,最近ではかんがえられるようになりました. これも予測がはずれたことのひとつですが,なによりも,せっかく準備したブロッキング・フィルタがいまだに機能していないことが,自宅をたてたときからみて一番はずれたことのひとつです.
もうひとつ準備したことは,自宅の 1 階と 2 階の一室とをむすぶ配線用のパイプです. これは MIDI をとおすつもりでつけたものですが,MIDI の配線はいまだにしていません. かわりに 1 階と 2 階とのあいだをむすぶ必要がでてきたのは LAN です. このパイプに 100 M ないし 1 G の Ethernet をとおすこともかんがえましたが,おもに必要な場所がこのパイプをはった場所ではないので,このパイプもいまだにつかっていません. LAN は以前は無線 (WiFi) をつかっていましたが,信頼性がひくいため,現在では (無線 LAN もやめてはいませんが) おもに 100 M の有線 LAN をつかっています. あなをあけて室内を配線するのがめんどうなので,なんと,家の外側を配線しています (「うごかない無線 LAN」). 配線したまま窓が閉められる細いケープルが手にはいるようになったために,このようなことが可能になりました.
そういうわけで,電波障害の問題がある電力線ネットワークをつかう必要はこのさきも,たぶんないでしょう.