毒いりギョーザ問題については 「人々はなぜ毒入りギョーザをたべたのか?」 という項目にも書きました. なぜ毒物がいれられたのか,まだ原因はあきらかになっていません. そのため,国内では消費者が中国産品をさけて国産品にむかっていることが報道されています. しかし,ほんとうに国産品は中国産品とくらべて安全なのでしょうか?
毒いりギョーザ事件に関する調査がすすむにつれて,天洋食品において厳重な管理体制がとられていることがあきらかになっています. いろいろな検査機器を導入して異物が混入しないように検査したうえ,毒物の混入などがおこらないように,監視カメラとひとの目による厳重な監視体制がとられていることがしめされています. その効果は,たとえばつぎのようなかたちであらわれています. 「日経ネット関西版」 によると,約 15 年間,天洋食品の商品を輸入している日佳食品の伴社長は 「他の中国企業に比べ異物混入などは極端に少ない. メタミドホスが検出されたことに非常に驚いている」 と話したということです (別のギョーザにメタミドホス ── 大阪の商社輸入,天洋食品製,2008/02/15 配信). それにもかかわらず,日本においては中国国内で毒物が混入されたうたがいがつよいとかんがえられていて,私自身もそうおもいます.
そのため,日本では消費者が国産品にむかっています. しかし,国産品はほんとうにそんなに安全なのでしょうか? 天洋食品ほど厳重な体制が国内の生産現場でとられているでしょうか? 証拠はありませんが,私にはそうはおもえません. たとえば菓子についていえば,「人々はなぜ毒入りギョーザをたべたのか?」 でもふれたグリコ・森永事件以来,出荷後に毒物が混入されたらすぐにわかるように,包装にくふうがこらされています. しかし,製造にたずさわるひとが悪意をもっていても製造中に毒物が混入できないようになっているでしょうか? 私にはむしろ天洋食品のほうがその点ですすんでいるようにおもえます. もしかしたら,国内の生産体制も,この機会にみなおす必要があるのではないでしょうか? そのうち国産品でもこのような問題がおこらないとはかぎりません.