近年,くつしたによく,あながあくようになったようにおもいます. いろいろなくつしたをためしたり,つめなどに対策してみても,あまり決定打になりません. Web で検索してみると,こまっているひとはおおいようなのですが,原因すら,つきとめられていないようです. この問題について,ちょっとかんがえてみます.
もう昔の話になりましたが,1960 年ごろかとおもいますが,「くつしたがつよくなった」 といわれました. おもにはくつしたの素材としてナイロンがつかわれるようになった結果として,とくに女性用のストッキングが丈夫になったということだとおもいます. しかし,ナイロンは男性用のくつしたの素材としても,よくつかわれるようになっていました. それがくつしたのじょうぶさにつながったことはまちがいないでしょう. 私自身も,ナイロン混紡のくつしたをはいていると,つかっているうちにナイロン以外の繊維はこすれてなくなってしまっても,ナイロンだけがのこって,やぶれないという現象を経験しました.
ところが,最近はナイロン製のくつしたをさがしても,あまり売っていません. 綿 100% というような,戦前からあるような素材のくつしたがおおくなっています. どうしてなのでしょうか? ナイロン製のくつしたははきごこちがわるいということかもしれませんが,それは他の種類の繊維とまぜれば解決することだし,以前はそういうくつしたがおおく売られていたはずです.
最初に書いたように,最近くつしたによく,あながあくので,かぎられたナイロンいりのくつしたをさがして買ったりもしました. しかし,実はナイロン混紡のくつしたでも 1 回であながあいてしまうことがしばしばあります. ということは,(ここまで,くつしたがよわくなった話を書いてはきましたが) おもな原因はくつしたがよわくなったことにあるのではなくて,もっとほかにあるということなのでしょう.
Google で検索してみると,いろいろなブログや質問サイトでくつしたのあなが話題になっています. 専門家が書いたものがみつからないのであまり信頼性はありませんが,原因として指摘されているのは,足とくに指やつめのかたち,つめがのびていること,汗や “老廃物” でくつしたがよわくなること,皮膚のかたさなどです. 「汗でくつしたがとける」 というようなことを書いているひともいますが,これはちょっとかんがえられません.
私の仮説は,汗や皮膚の表面の状態などによって皮膚とくつしたとの摩擦がおおきくなって,すべりがわるくなるということです. すべりがわるいと,くつしたの一部におおきなちからがかかりやすくなって,やぶれるのではないでしょうか? かかとがやぶれやすいというひともいますが,私のばあいはたいてい,親指のさきがやぶれます. くつしたが後方にひっぱられることによって,とがっている親指のさきがやぶれるようにおもえます. とはいっても,この仮説を検証するのはそれほど容易ではありません. だれか,くつしたがやぶれる原因をちゃんとしらべて,対策をおしえてほしいものです.
最後に,この件で Web をみていて気がついた話題をひとつ. 「モスクではくつしたの穴に注意!― 世銀総裁の招いた悲劇」 (東京外国語大学のニュース・サイト) には世銀総裁がトルコのモスクで靴をぬいだときにくつしたにあながあったことから,いろいろな出来事が派生したことがかかれています. やはりくつしたはあながあきにくいようにしたほうが,よさそうです.