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未来の予測と創造, 社会・経済

市場経済から情報経済へ ― 経済学試論 (未完)

ハーバート・サイモンによれば,「市場」 は最小限の情報流通と計算だけで機能するメカニズムです [Sim 99] (p. 41). 情報通信が高価だった時代には,それは不可欠なことでした. しかし,情報通信技術は人類がうまれて以来はじめての大変革をもたらそうとしているようにおもえます. もはや情報や計算は高価なものではなくなり,それにともなってグローバル化した市場は世界規模での物流をもとめました. しかし,エネルギー・コストの増大や温暖化防止の要請によって,世界規模の物流は制約されるようになります. そうなると,モノが流通する場としての市場はもはや従来のようには機能しなくなり,情報流通を中心とするあたらしいメカニズムが支配するようになるとかんがえられます.

市場経済は基本的にひとやモノが市場というひとつの場所にあつめられることによって,なりたっていました. 現在の株式市場や先物市場はすでにそうでなくなっていますが,まだかつてのようなモノ経済的観念にしばられています. しかし,それはしだいに変化していくでしょう.

情報そのものも無償で流通するわけではありません. 情報の流通のためにはデータセンタのコンピュータとネットワークを構成するルータや伝送装置が必要であり,それらは電力を消費します. しかし,それらによるエネルギー消費や CO2 排出はかぎられています. したがって,情報はモノにくらべればはるかに容易に世界にひろがっていきます.

TBD

  • [Sim 99] ハーバート・A. サイモン (著), Herbert A. Simon (原著), 稲葉 元吉 (翻訳), 吉原 英樹 (翻訳), “システムの科学”, パーソナルメディア; 第 3 版, 1999-6.
キーワード: グローバル化, グローバリゼーション, グローバライゼーション

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