日本はまわりを海でかこまれているため,過去には国や陸上の資源をまもるのはむしろ容易だったということができます. おおきな船をつくることがむずかしかった時代に,船で日本までやってくるのは容易でなかったからです. ところが,せまい国土におおくのひとがすむ日本にとって,日本をかこむ広大な経済水域にある魚貝類や海底資源は貴重な資源です. ところが,これらは海賊などによってうばわれる危険があります. 道がなければ容易にはいることができない陸地とはちがって,海はどこからでも船ではいりこむことができます. 大型船で資源を根こそぎ,もっていくことも比較的容易です. 一方,それをふせぐのは容易ではありません. 今後,資源をまもるためには周到な防衛体制が必要になるでしょう.
きょう (2008 年 5 月 12 日) の NHK の番組 「クローズアップ現代」 では暴力団などが組織した “海賊” によって,価値が増したアワビなどがうばわれている実態が放送されていました. 今後,水産資源はさらに貴重なものになり,こういう事件はさらに増加する危険があります. こういう “海賊” たちから資源をまもることがぜひ必要です. 現在の海上保安庁の人員や装備だけではそれは不可能ですが,経済水域のひろさをかんがえれば,人員や警備艇の数だけをふやして対処するのはコストがかかりすぎます. 比較的すくない人員や装備でひろい経済水域をまもる方法を開発することが必要だとかんがえられます. (写真は 「Dadidadi の日記 違法あわびって?「黒市鮑魚」」 から借用しました.)