「熊本市の熊本赤十字病院で,救急患者が吐いた農薬の成分で 54 人が異状を訴えた」 (朝日新聞) という事故がありました. 農薬の成分はクロルピクリンだったが,それがわからなかったので中毒事故をおこしてしまったということです. しかし,NHK のニュースの内容などから判断すると,「ピクリン」 ということばがつたわっていたのに,リテラシーの問題でクロルピクリンをみつけることができなかったようです. 病院の職員にもネット・リテラシーの訓練が必要なようです.
NHK のニュースによれば,患者がのんだのは 「ピクリン」 がつく物質だったということは救急隊が把握していたが,文献やネットで検索してもピクリン酸しかみつけられなかったということです.
ためしに Google で 「ピクリン」 を検索してみました. 最上位にあるのは病院でもみつけられたという 「ピクリン酸」 (Wikipedia) ですが,2 番めには 「塩化ピクリン」 (Wikipedia),3 ~ 4 番めには 「クロルピクリン」 と 「クロールピクリン」 (日本化薬) があらわれます. 他の検索エンジンをつかえば順位はかわるでしょうが,これらの項目をみつけられないとすれば,さがしかたに問題があるとおもいます. 病院の職員には,かぎられた時間のなかで Web や文献から的確に情報をさがしだすリテラシーが必要でしょう. (分子式の図は Wikipedia の塩化ピクリンの項からとりました.)