第 1 章で脱構築を脱建築とみなすという説を提示し,それを建築の危機ととらえている. 第 2 章ではシェルターとしての建築という見方をほとんどきりすててしまう. こうしう大胆な見方で読者をひきこみ,ヨーロッパの建築史をみていく. しかし,大胆さは荒削りな議論の表裏であり,最後にふたたび語られる脱構築による建築の危機が説得力をもってこない. 著者は建築が物質的な構築にこだわりつづけたことが批判されてたと書いているが,建築がシェルターであるということをおもいだせば,物質的であるのは当然のことだとおもわれる. おどろおどろしい議論のわりには,のこるものがすくない.
評価: ★★★☆☆
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