建築や景観はカラー写真をみないとわかりにくいが,冒頭に 4 ページにわたってそれがあるのは,新書としては気がきいている. 本をよみすすむまで,そのかぎられた写真のなかに北朝鮮のピョンヤンの写真が数枚ある意味がわからなかった.
いろいろな話題がとりあげられているが,そのなかでも著者が力説しているのは日本橋をふさいでいる首都高を地下に移設するカネがあるなら,もっと有益なことがたくさんできるということである. この首都高移設に代表される 「景観論」 の極致として,整然としていて美しいピョンヤンの景観があるという. 著者が最後に書いているのは,こういう 「景観論」 のいきつく果ては 「何ごとも起こらない,変化なき永遠の定常状態.それは歴史の終わりかもしれない」 ということばである.
逆説的な書き方だが,著者が生き生きとした都市をもとめていることがつたわってくる.
評価: ★★★☆☆
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