日本では基本的には両親のうちのいずれかが日本人であるときに子供も日本国籍をえることができます. しかし,最近問題になっている婚外子の問題をはじめ,子供が無国籍になってしまうばあいがでてきます. これは人権上,不適切なあつかい (機会不平等) であり,このようなことがおこる原因になっている国籍法には根本的な問題があるようにおもえます. 国内でうまれた子供にすべて市民権をあたえるという米国の制度のほうが民主的だとかんがえられます.
子供にはなにも落度がないのに親の行為によって無国籍になってしまうのは,「法のもとの平等」 に反するとかんがえられます. 6 月 4 日の最高裁判決ではフィリピン人の母と日本人の父の婚外子に関して国籍法の規定が違憲とみなされました (写真は日経新聞から). また,すでに発生している問題ですが,親が無国籍であれば親にも落度がないのに子供は無国籍になってしまいます. しかし,これは婚外子だけの問題ではなく,婚外子を排除する規定が国籍法からのぞかれたとしても,親が日本国籍かどうかが確認できなければ同様の問題がおこるでしょう.
このような問題をいま法律によって救済しようとしていますが,このようなことがおこるのは,そもそも両親のうちのいずれかが日本人であるときにかぎって子供に国籍をみとめる法律に問題があるからだとかんがえられます. このロジックは親が貧乏人だと子供が十分な教育をうけられずに貧乏人が再生産されるというロジックとおなじであり,機会不平等のひとつだとかんがえられます.
国内でうまれたすべての子供に市民権をあたえる米国のような法律のもとでは,このようなことはおこりえません. このような国籍法そのものが再検討されるべきなのではないでしょうか?