秋葉原 で 6 月 8 日におこされた無差別殺傷事件に対しては,東 浩紀 による 12 日の朝日新聞への 「投稿」 をはじめ,何人かが 「テロ」 ということばをつかっている. 犯人はなぜ 「テロ」 をおこす場所として秋葉原をえらんだのか? 東 浩紀 は彼が首相官邸や経団連本部をえらばなかったことを 「幼稚」 と表しているが,9.11 をかんがえても,そうとはいえないのではないだろうか?
9.11 においてはペンタゴン (米国国防省) なども標的とされたが,なんといっても世界におおきな衝撃をあたえたのは WTC (ワールド・トレード・センター) を崩壊させた飛行機の衝突である. たしかに WTC はニューヨークの経済活動の中心地という意味はあるが,経団連本部ほどの象徴的な意味はない. テロがつよい衝撃をあたえるのはそのような政治や経済の象徴を破壊したときではなく,よりおおくの破壊やよりおおくの人命をうばったときであり,まさにそれが秋葉原事件の犯人のねらいだったのではないだろうか.
こういう暴力がより 「破壊」 にむかうなら,人的被害はむしろすくなくてすむかもしれない. しかし,爆弾よりはナイフを入手するほうが容易であるために,「破壊」 よりは 「殺人」 にむかってしまうのではないだろうか. 政府がナイフの規制を検討するというニュースがながれたが,銃と同様に武器となりやすいナイフも規制することが,こういう事件を防止するためには必要なのだろう. (写真は東京新聞の記事から借用しました.)
関連ページ (2008-6-22 追記):