最近,日本では 「社会起業家」 とよばれるひとたちがふえてきて,徐々に日本の社会や経済をかえようとしている. しかし,現在はまだそれほどおおきなちからをもってはいないとかんがえられる. しかし,バングラデシュにおいては 「社会起業家」 が銀行をつくり,零細な企業にまで融資することによって,政府にたよらずにたかい経済成長を実現させているという.
6 月 22 日の NHK の 「沸騰都市」 (第 3 回) では,ダッカの繊維産業を中心として,ながらく停滞していたバングラデシュが最近,たかい経済成長をとげていることがとりあげられていた. ブラック (BRAC, Bangladesh Rural Advance Committee) という NPO が日本もふくむ各国の企業などとともに銀行を設立し,さまざまな企業などに融資しているという. 番組では 「社会起業家」 というようなことばはつかわれていなかったが,話をきくかぎりでは,その NPO や銀行がめざしているのは株主のためでもない,社員のためでもない,融資をうけてビジネスを拡大しようとしているひとたちのための事業である.
バングラデシュはイスラム教徒の国だが,世俗主義をかかげてきたトルコを範としているという. アラブをはじめとするイスラム教徒の国においても,社会起業家的なかんがえかたにしたがう企業がおおいようである. 日本でも株主中心主義にとらわれず,企業のありかたをもう一度,かんがえなおしてみる必要があるのではないだろうか?