米国政府は北朝鮮のテロ支援国家指定解除への手続きをすすめている. それが実現すれば北朝鮮の拉致問題解決に関してつかえる重要なカードが 1 枚へってしまうといわれている. これに対して,北朝鮮につけこまれないためには 6 カ国協議の各国の政府が協調することが必要であり,日本の内閣にできることはかぎられているとかんがえられる. しかし,米国でも議会のなかには政府の決定に反対し,テロ支援国家指定解除を阻止しようとするうごきがある (「北朝鮮のテロ支援国家指定 解除停止狙い米下院に法案」 など). 日本でも内閣以外の機関がそれにしばられる必然性はない. 家族会とその支援者がこういうひとびとと協調していくことが,北朝鮮にさらなる圧力をかけていくことになるだろう.
家族会は 「米「テロ指定」解除 拉致被害者家族会、翻意要請 シーファー米大使に」 などによる,これまでのところは米国の行政機関を中心にはたらきかけているようである. しかし,政府へのはたらきかけがちからをもつとはおもえない. むしろ,議会へのはたらきかけが有効だとかんがえられる.
産経 MSN 「【主張】北の核計画申告 不十分な内容を憂慮する」 には 「日本政府は米政府などとこうした認識を共有する努力をどの程度払ったのだろうか。米議会が指定解除を覆すには新たな立法が必要となる。外務省だけでなく、与野党議員もあらゆるルートを駆使して巻き返しを図ってほしい。」 とある.
時間はかぎられているが,家族会をはじめ,日本の民間組織がロビー外交などによって米国議会にはたらきかければ,その影響力はおおきいだろう. それでも政府の決定をくつがえすにはいたらないかもしれないが,北朝鮮への圧力はちいさくないはずである.
関連項目: 駐韓米大使の発言は日本への「最後通牒」か