Web ブラウザは NSCA Mosaic 以来,HTTP とならんで FTP もサポートしてきました. そのため,リンクをクリックするだけでファイル転送をおこなうことができました. ストリーミングに関しても,YouTube もふくめて,クリックするだけでビデオ再生が可能になります. これらの機能の成功をかんがえれば,今後 P2P によるファイル転送やストリーミングがひろくつかわれるようになるとかんがえられるが,それらの機能も同様のやりかたでつかえるべきだとかんがえられます. 実際,すでに Opera などが BitTorrent の機能をとりこんできています.
Opera 9 をダウンロードしてきましたが,まだ BitTorrent 機能のつかいかたがよくわかりません. しかし,いまのところは非常に限定的なつかいかたにかぎられているようです. HTML 上で bittorrent:/Opera/ というような URL (というより URI) をリンクとして指定することができれば,従来の ftp://.../ と同様につかうことができます. このやりかたは,現在のままではバッチ処理的な用途にしかつかえません. しかし,BiToS [Vla 06] のようにストリーミングに適したかたちにこれを改良し,そのプレヤーをオブジェクトとして Web ページにとりこめるようにすれば,Windows Media や YouTube のように,Web ページ上で P2P (peer to peer, ピア・ツー・ピア) のビデオを再生することができるようになります. これまで Web がたどってきた道をふりかえれば,このようなかたちでつかえるようにするのが自然なのではないでしょうか?
参考文献
- [Vla 06] Vlavianos, A., Iliofotou, M., and Faloutsos, M., “BiToS: Enhancing BitTorrent for Supporting Streaming Applications”, 25th IEEE Int'l Conference on Computer Communications (INFOCOM 2006), pp. 1—6, April 2006.