中野は新宿もちかいため,バブル経済のなかでも,一部の地域をのぞいては,高層ビルを林立させるような開発とは無縁だった. ところが,最近になって規制緩和のあおりで中層のビルがすこしずつ,中野の南部にもふえてきた. こういうビルをたてるときに考慮されるのは建築制限だけであり,日照は問題にされるが景観はほとんど考慮されていない. なにがおこっているのか,すこし検証してみよう.
右の写真は川島商店街に唯一たてられた中層のビルをはなれた場所からうつしたものである. このビルがたてられる以前は,写真にも一部がうつっている新宿ちかくの高層ビル以外には,おおきなビルはほとんどみえなかった. 川島のビルの右側にはオペラシティのビルがみえ,左側にはパークシティのビルがみえる. また,べつの道からは,もうすこしずれた方向にある都庁がみえる. これらの高層ビルはとおくにあるため,それほど威圧的には感じられなかった. ところが,現在では川島にあるビルが威圧的に感じられる. ほかの場所からうつした写真を何枚かみてみる.
どこからみても,ちかくの建物によってかくされないかぎりは,ぬきんでていることがわかる. 10 階だてくらいの建物は近辺にすくなくない (下記の写真を参照) が,この川島のビルはそのなかでももっとも階数がおおいうえに,ちかくにはそれに匹敵する建物がない. また,そのデザインも威圧感をたかめるはたらきをしているようにおもえる. このような建物がこのちかくにふえないことを希望するとともに,この建物についても,とりこわしをふくむなんらかの対策を希望したい.