日本の地方都市のなかには駅前通りが 「シャッター通り」 と化しているところがすくなくありませんが,ふつうはさすがに廃墟にまではなっていません. しかし,1980 年代にアメリカの自動車産業が没落してから,デトロイト (Detroit) のまちの中心部は廃墟となり,いまだに回復していないようです.
1989 年に私は IJCAI (International Joint Conference on Artificial Intelligence) という学会で発表するために,そのとき住んでいたピッツバーグからデトロイトまでくるまを運転していきました. デトロイトでおどろいたのが,まちの中心部がゴーストタウンとなっていたことです. そこには数 10 階建てのビルがいくつもありましたが,それらはうすよごれて,ガラスはわれていました. つかわれていないことはあきらかでした. 当時,ピッツバーグでもまちの中心と郊外との中間に雰囲気のわるいところがありましたが,これほどではありませんでした.
その後,ピッツバーグのまちはきれいになりましたが,The Fabulous Ruins of Detroit というサイトには,いまもデトロイトの中心にある,うすよごれてガラスのわれたビルの写真があります. 写真には新交通システムがうつっていますが,この電車は 1989 年にわたしがいったときにもあり,廃墟のなかをはしっていました. ここに引用したのはごく一部であり,このサイトにはほかにもおおくの廃墟と化したビルの写真があります.
学会は廃墟のちかくのコンベンション・センターでひらかれ,そのちかくの Westin Hotel にとまるひともいましたが,まちの中心はこわいというので,郊外のホテルにとまりました.
2009-6-15 追記
すでに廃墟となっていたデトロイトですが,最近,GM の破綻によって,さらにひどい状況になっているようです.
貧困率と凶悪犯罪発生率は全米で最悪であり,失業率においても最悪にちかいようです.
GM 本社の移転もうわさされているとのこと.
下記の写真のうち左は教会のようにみえますが,よくわかりません.
右は学校だったということです.
(これらの写真は de-VICE #2 と Scrape TV News
から借用しました.