著者が設立したカルチャースタディーズ研究所が企画した 3 つの統計調査の結果を再利用して 「階層格差」 を追究している. 団塊ジュニアが 「下流化」 しているとし,所得がひくいだけでなく意欲や能力がひくいのが 「下流」 だとしている. サンプル数がすくないことを著者も気にしているが,この結果がみちびかれたのはそのためではなくて,著者が統計数値に大胆な解釈をくわえているからだろう. 話としてはおもしろいし,あたっているところもあるだろうが,ダマされないようにする必要もあるだろう.
本書には統計数値の表やグラフが多数のせられているが,そのためによみにくくなっているのは否定できない. どうせ大胆な解釈をくわえるのであれば,表やグラフを多数のせて客観的なフリをする必要もなかったのではないだろうか. 写真についてもそれとキャプションがあっているかどうかは疑問である.
評価: ★★★☆☆
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