買ってきた iPhone をすこしつかってみると,こまることのひとつは copy and paste (コピー・アンド・ペースト) ができないことです. つかってみるまであまり気にとめていなかったのですが,Web でしらべてみるとこの件はあちこちでとりあげられています. Copy and paste は Apple が Macintosh などでいちはやくとりいれた機能です. それがなぜ iPhone にはないのか,それは 2 本の指で操作するという iPhone のインタフェースのためなのでした.
iPhone にはなぜ copy and paste の機能がないのか? Safari では copy and paste 相当の機能がつかえるようになったとはいっても,copy and paste 機能はアプリケーションをこえてデータを移動させられるはずのものであることをかんがえれば,まったく不十分だといわざるをえません. しかし,単に実装がむずかしいというような理由で Apple がそれをあとまわしにするとはおもえません. いくつかの Web ページでは真相にせまる記述があります.
「The iPhone doesn't have copy & paste because...」 というページでは,2 本のゆびで操作する iPhone のユーザ・インタフェースに copy and paste がうまくとりいれられないのがその理由だということを diggid3 が指摘しています. 原文を引用しておきます.
The only proper way copy/paste could be implemented is using the gestures currently used for zooming / panning etc. (to make a selection), i.e. it can't be done at the moment, unless it depends on some state, either user-settable or application-dependent, which would clutter up the current UI-experience.
他社ならユーザ・インタフェースの方針をやぶってでも copy and paste 機能を実現するでしょうが,きめた方針をつらぬくのが Steve Jobs の Apple です.
「Apple's Joswiak on iPhone Copy and Paste, GPS Driving Directions」 によれば Apple の Joswiak が iPhone に copy and paste の機能をとりいれないのはそれに反対だからではなくて優先度がひくいからだとこたえたということです. この話は 「Apple Explains Missing iPhone Features などにも書いてあります.
「Copy and Paste Implementation, Exchange Support for iPhone?」 にもこの件の解説があります.
The trouble it is having is implementation. How to easily call up a copy or cut option and then the paste action. It’s probable that the zoom bubble (the one that brings up the edit cursor) is the issue as it has removed the obvious tap and hold position from Apple to use for a pop-up menu of some sort. Text selection is another difficulty to sort out. Certainly, the cursor could be added to the menu selection; however, Apple wants to keep this as simple as possible and that added step would not lend itself to simple.
それにしても,copy and paste がまともにできないのであれば,iPhone のこのユーザ・インタフェースはダメなのかもしれません.
2008-8-6 追記:
約 1 年前に lonelysandwich が copy and paste の方法をビデオでしめしています.
やはり 2 本めのゆびをどうつかうかがカギになるようです.
もしこれが最善の方法でないとしても,なんとかなりそうです.