本のタイトルにはウィニーはあらわれていないが,目次をみると 4 つの章のうちの 3 つにウィニーがあらわれている. それだけ,ネットにおける情報共有・セキュリティ・匿名性についてかんがえるとき,ウィニーの存在がおおきいということだろう.
第 1 章は完全にウィニーにあてられ,開発のいきかさつから著作権問題,情報漏洩問題,そして 47 氏の逮捕・判決までがかたられる. 第 2 章以降はもっと範囲をひろげて,P2P,インターネットの可能性,コモンズ,著作権,匿名性などの問題がかたられる.
ウィニーに関する本は,47 氏つまり金子氏本人のものもふくめて他に数冊あるが,そのおおくはハウツー本や一部の問題だけをあつかったものである. そのなかで,本書はウィニーが提起したさまざまな問題の全体像をとらえている貴重な本である.
評価: ★★★★☆
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キーワード: Winny