[ トップページ ]
社会・経済:グローバル化, 未来の予測と創造

「グローバル化の終焉」 試論 ― 物流の縮小とその情報への効果

エネルギー価格の高騰は物流コストを増大させる. そのため,物資が必要以上に遠距離をはこばれることは現在より減少するだろう. 従来は世界人口の 20% 未満の先進国のひとびとが開発途上国からどんどん物資を奪取してきたが,中国,インドをはじめとする人口大国が経済的にゆたかになり,消費をふやすことによって,物資は従来の先進国にはまわりにくくなる. それによって,物流が世界をかけめぐることによってささえられてきたグローバル化は終焉する. 物資の流通がおさえられることは,同時にそれに関する情報の流通をおさえることにもなる. 情報の流通コストは現在とくらべて大幅に増加することはないだろうが,必要がかぎられることによって,情報のグローバル化もおさえられることになる.

エネルギー価格の高騰は物流コストを増大させる. この傾向はすくなくとも核融合の実用化までのあいだはつづくだろう. 自然エネルギーの利用によってエネルギー価格がおおきく低下するとはかんがえられないからだ.

また,すでに顕著にあらわれている食糧価格や鉄鉱石などの工業原料の高騰にくわえて,工業製品なども中国や他の開発途上国において劇的にやすいという状況はうしなわれていく. これらの国において賃金が上昇するからだ. 一方で,日本や韓国のように,先進国において低賃金の労働者がふえている. それによって,物流コストがかからない,消費地のちかくでの生産は有利になる. いいかえれば労働力の供給がローカル化する.

これまで商品流通のグローバル化がすすんできたのは,おもに低価格商品のためである. 商品に関するニーズは地域によってちがっているから,価格差がちぢまれば,それだけローカルなニーズを反映した商品が有利になる. これも,グローバル化をおさえる要因になる.

そして,商品に付随した情報の流通もおさえられることになる.

キーワード: グローバル化, グローバリゼーション, グローバライゼーション, ローカル化, ローカリゼーション, ローカライゼーション

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.kanadas.com/mt/mt-tb.cgi/3051

コメントを投稿

Google でブログを検索:

メインページアーカイブページも見てください.
Creative Commons License
このブログはつぎのライセンスで保護されています. クリエイティブ・コモンズ・ライセンス.
Powered by Movable Type