グローバル化は世界のなかで一部の地域に富を集中させ格差を拡大するということがいわれる. しかし,これは一時的におこったことであり,長期的には富を拡散させ格差をちぢめる方向にうごいているようにみえる.
グローバル化とは,世界規模での貿易などからえた富をつうじて,世界の国々が時期をずらしながら急速な経済発展をとげていくことだとかんがえることができる. すなわち,17 世紀以来,ヨーロッパ,アメリカ,日本,… という順で高度な経済社会への発展がすすんできた.
1950 年代まではヨーロッパ,アメリカまでが成長をとげ,他国とのあいだで格差がおおきかった. しかし,その後,上位グループにまず日本がくわわり,台湾,韓国などもくわわっていった.
ここまでは,上位グループに属する人口は比較的すくないままだった. しかし,最近そこに中国とインドがくわわってきて,世界の経済構造はおおきく変化した. 中国においては国内の格差がおおきく,沿岸部から内陸部にむかって工業化がすすみつつある. また,中国からベトナムなどのアジアに資本がながれつつある.
このような発展の過程においては,国によって発展の時期がずれているところから,一時的には格差が拡大したようにみえる. とくに,中国,インドが上位グループにくわわるまでは,そうみえていた. しかし,すべてではないとしても,ほとんどの国がこのながれにのっているようにみえる. すくなくとも,南アメリカまでは経済発展の波がおよび,すでに成功したブラジルはもちろん,アルゼンチンなども発展してきている. まだアフリカの大半の国はとりのこされているが,発展の兆候がみえる国もある. いずれはアフリカもこのながれにとりこまれるだろう. それが経済のグローバル化の意味だとかんがえられる.