最近では,ものかきのなかにも,本よりブログなど,Web 上のもののほうをよりおおくみているひとがふえているようだ. そういうひとが書く文章をみて違和感を感じることがある. その原因は,もしかすると Web と書物との性質のちがいからきている,つまり,Web 上の文章のほうが断片的であることがおおいというところからきているのではないかとおもう.
Web 上の文章は書物より断片的である. Web 上で本をよむように文章をよむひとはいないから,必然的にそうなる. ブログのなかには記事のながさが数 1000 字におよぶものがあるが,そういうブログはむしろすくない. おおくのひとは,そんな長大な文章をコンピュータ画面上ではよまない.
むしろ,日本ではおそろしくみじかいブログがおおい. 私によくわからないのは,1 文ずつ改行したり,さらに行のあいだに空行をいれたりしているブログがおおいことだ. 文は句点またはピリオドでくぎられているのだから,さらに改行するのはまったく無駄だとおもうのだが,そのほうがよみやすいとおもっているらしい. そういうブログは,ちょっとしたおもいつきがあって,おもしろいかもしれないが,論理はない. そういう文章をよんでも,じっくりかんがえるということはない.
こういうみじかい断片的な文章をつぎつぎ読んでいくと,読み手自身がきっちりかんがえる習慣をうしなってしまうのではないだろうか? 本を読めば知識がふかめられるが,こういう文章を読んでも,断片的な情報がふえるだけで,本質はつかめず,きちんと消化された知識はふえない.
その結果として,違和感を感じる文章がうみだされてくるのではないかとおもえる. つまり,なにがいいたいのかよくわからない,論理の欠如した文章である. そういう文章にはいろいろな断片的な情報はつめこまれているが,それがただコピペされたようにちりばめられていて,一見つながっているようだが,よく読んでみると,なにがなんだかわからないのである.