未来を予言する本である. 予言は 5 つの 「法則」 にもとづいているが,法則はあらかじめあたえられるものであって,論証の対象ではない. それだけでなく,法則からみちびかれる 「結論」 も,この本においては論理的にみちびかれているわけではない.
この本は,230 ページくらいの比較的うすい本だが,
さらに,その文章のスタイルはブログでよくみられるような,
文のくぎりごとに改行され,みじかい段落が空行でくぎられるスタイルだ.
このスタイルはひとを理性によって説得するときには向いていないようにおもえる. なぜなら,このスタイルで論理を展開すると,ページ数がおおくなりすぎて,散漫になるからだ. これはむしろ,ひとを感性によって説得するときに向いたスタイルだろう.
著者の主張のひとつは 「「考える文化」 から 「感じる文化」 へ」 ということだが,著者自身がそれを実践しようとしているということかもしれない. だから,この本はむしろ宗教書といってよいだろう. 論理を知るには,おなじ著者による他の本を読んでもらえばよいということかもしれないが,そうだとすると,これは私にとっては読むべき本ではなかった.
評価: ★★☆☆☆
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