原油価格が一時は 140 ドルをこえた第 3 次オイルショックをさまざまな統計や予測によって分析し,第 1 次,第 2 次のオイルショックと比較している. 数値的に把握することは重要だし,過去のオイルショックと比較することで,現在およびちかい将来どう対処するべきか,ある程度の指針をえることもできるだろう.
しかし,現在の経済状況においては,原油だけでなく金属資源や農産物の価格高騰や,サブプライム問題からはじまった巨大なバブル崩壊とそこからもたらされる世界不況など,さまざまな要因がからみあっている. それに対してこの本はほとんど原油とその周辺に話題をかぎり,統計や予測の数値に説明をくわえる程度の分析にとどまっている. 他の要因をかんがえない予測にどれだけの意味があるのだろうか?
私自身もそうだが,一部のエピソードをべつにすれば,この内容が一般の読者の興味をひくものだとはおもえない.
評価: ★★☆☆☆
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