さまざまな国や時代の物価や金利などがグラフによってしめされ,インフレーションの本質があばかれている. すなわち,過去のインフレーションが,まちがった金融政策によってひきおこされたことが論証されている. ハイパーインフレといえばワイマール時代のドイツが有名だが,第 2 次大戦後のハンガリーや 1970 年代以降のメキシコ,アルゼンチン,チリのインフレも論じられている.
しかし,これらはいずれも統計数値だけで論じられていて,なまの感覚に欠けている. インフレが金融政策によってふせげるものであるのなら,なぜこのようにはげしいインフレがくりかえされてきたのか,その理由が知りたくなる. しかし,この本はそれにはこたえてくれない.
評価: ★★★☆☆
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