日本の国土はせまいが,排他的経済水域は非常にひろい. 現在は不況のため石油も農林水産物も価格がさがっているが,いずれまた高騰するのはまちがいない. それをみこして,経済水域内の資源を他国にとられないようにするための制度や研究をすすめる必要がある.
日本と中国とのあいだで海底油田開発に関して火花をちらしたことは,まだ比較的,記憶にあたらしい (たとえば 櫻井よしこブログ 「中国の不法な海底資源開発を許してきた政府の無策以上に有害なメディアの報道姿勢」). 石油は日本の経済水域外で採掘しても,経済水域内のものまで採掘されてしまう.
魚にいたっては,時期によって経済水域内から域外に,またその逆に,移動してしまう. そのため,たとえ域内で養殖しても,かこいがなければ他国に利益をあたえることになる.
経済水域のひろさを利用して大規模な養殖をするとして,その収穫をできるだけふやすためには,魚がなるべく域外にいかないようにする必要がでてくる. とはいっても,広大な海域に網をはるようなことは不可能である. 不適切な方法をとれば自然にさからって,かえってしっぺがえしをうける可能性もあるが,適切な技術を開発することをめざすべきではないだろうか? 「ITPro グリーン IT: 第 6 回 マグロ問題に必要な発想の転換」 ではマグロに関してこのような問題がとりあげられている.
石油などの鉱業生産に関しても同様のことがいえる. たとえば域内の石油が域外にでていかないような方法をとることができれば,隣接国との摩擦をおさえることができるかもしれない.