小林多喜二の時代には,搾取する階級つまり資本家は少数であり,搾取される階級つまり労働者は多数だった. したがって,労働者が団結してたちあがれば資本家に対抗できるという希望があった. ところが,現代では搾取されているのはフリーターやニートといわれる若年層であり,かれらの労働のうえにあぐらをかいているのは若年層より多数の壮年・老年層である. 若年層が団結しても,数のうえでは勝ちめがない.
現代においては,このようにかつてのピラミッド構造がくずれている. 先進国と後進国という構造においても同様に,中国やインドが先進国のほうにはいろうとしているために,ピラミッド構造がくずれてきている.
下層が多数でなくなることによって,ますます下層をすくうことが困難になっているとかんがえられる. こういう状態からぬけだすには,なにか,あたらしいしくみをかんがえださなければならないだろう. それがどういうものなのか,いま私にはわからないのだが…
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