ウィーンフィルのニューイヤー・コンサートは毎年,世界中に中継されている. 今年の指揮者バレンボイムは恒例のあいさつのなかに,中東の平和をのぞむみじかいメッセージをこめていた. イスラエルとガザで毎日多数の死傷者がでる状態がつづいているが,その切実なメッセージは,とくに日本の聴取者にどれだけつたわったのだろうか?
ニューイヤー・コンサートは日本では NHK がライブで放送し,さらに再放送している. 私はライブ放送を録画したものをきょうきいて,バレンボイムのメッセージもきいた. そのとき私はバレンボイムのおいたちや国籍を知らなかったが,みじかいメッセージでもその意図は十分につたわってきた.
日経ネットによると彼は 「2009 年が平和な年となり、中東に人類の正義が訪れることを望む」 と言ったという (Yahoo! の記事 “Conductor Barenboim urges Middle East peace at Vienna concert” によると,彼のことばは “year of peace in the world and of human justice in the Middle East” だったようだ (おなじ内容が Middle East Online にも書かれている)).
朝日新聞によると,「バレンボイムさんはアルゼンチン生まれのユダヤ人でイスラエル国籍。イスラエルとアラブの若者らによる楽団を率いるなど中東和平の推進に尽力し、08年にはパレスチナから名誉市民権を受けた。」 (写真は 47 News から借用しました.)
追記: バレンボイムのメッセージが心にささる一方で,そこにふくまれる 「正義」 がはたして問題の解決につながるのだろうかという疑問はぬぐえない. イスラエル,ハマスのどちらの側に正義があるというのだろうか? あるいは,どちらでもない第 3 者が正義をもって両者をしずめることができるというのだろうか? 私はどちらもあたらないとおもう. つまり,これはそもそも 「正義」 の問題ではないのだ.
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