1 月 11 日の NHK 「ダーウィンが来た!」 で,テナガザルのなきごえの話をしていた. なきはじめに声の周波数 (音程) がしだいにあがり,なきおわりにそれがさがるという. 周波数があがるとその音をきくものは緊張し,それがさがるとその音をきくものは弛緩するという. サイレンの音もそれとおなじだという.
それでおもいだしたのはドップラー効果である. 物体がちかづくとき,その物体が発する音の周波数はあがり,とおざかるとそれはさがる. なんとうまくできていることだろう.
救急車などのサイレンの音をおもいだしてみよう. 救急車がちかづいてくるとき,周波数はしだいにあがる. サイレンの音そのものはもう定常状態に達しているので,周波数はほとんど変化しない. しかし,ドップラー効果があることによって,接近する音にはサイレンの音質や音量増大からくる緊張だけでなく,周波数がたかまることによる緊張がくわわる.
この緊張は,救急車が目のまえを通過した瞬間にゆるめられる. 距離がしだいにとおくなるので音量も低下するが,それ以前に周波数が低下することによって弛緩する. うまくできているではないか. (写真は 「心の救急ケア: 日々、思うこと(37)」 から借用しました.)
キーワード: ドップラー効果