日本でも 「フェアトレード」 の運動がすこしずつ,めだつようになってきたようにおもう. しかし,私自身はあやふやな経済外のものを貿易のなかにもちこむことを積極的に肯定する気にはならない. ところが,1 月 20 日の NHK 「プロフェッショナル」 でとりあげられていた まぐろ仲買人の 藤田 浩毅 は,まぐろを競る相手がいないときでも適正とおもう価格で競り落とすという話をきいた. これは,あるべきフェアトレードのかたちだとおもった.
最近,長尾 弥生 の 「フェアトレードの時代」 という本を読んだ. この本にはフェアトレードに関するさまざまなかんがえかたが書かれていて,共感できる部分もある.
しかし,私自身は 「フェアトレード商品」 に対してとくに他より上積みして買おうとはおもわない. 競争力のある商品をつくることができない途上国のひとびとに対しては,彼らがつくった商品の価値より高い値段で買うことによってではなく,彼らの商品の価値をたかめるように援助するべきだとおもうからだ.
しかし,市場経済においてはモノに不当にやすい値段がつけられることがあるのもたしかである. そういうとき,ぎりぎりまで買いたたくのではなく,適正な価格で買うことは,のぞましいことだとおもう. まぐろ仲買人の藤田 (写真) はそれを信条としているということだ. つまり,漁師が適正な対価をえることで,ふたたびよいまぐろが市場に供給されるはずだということである. よい話をきいたとおもった. (写真は 「プロフェッショナル」 のページから借用しました.)
関連項目 (2009-1-23 追記):