第 1 章では,現在の経済状況は主流の経済学では想定していなかったこと,バブルの際には通常の市場のメカニズムがはたらかないが,これまでそれを経済学があつかってこなかったことを指摘している. そして,「バブルの経済学」 を構想している. また第 2 章では,竹中平蔵らによる構造改革をことばをきわめて批判し,そうではなく教育投資や環境エネルギー革命などによって成長をめざすべきだと主張している. 第 3 章では格差とインセンティブの問題をあつかっている.
著者は主流の経済学を批判し,それにもとづく政策を批判している. 著者自身,「異端」 であることを認識している. 批判するのはけっこうだが,主流に対抗できるだけのものがあるのだろうか. この本では格差や医療や諮問機関など,現在の政治経済の問題点をつぎつぎにあげて批判しているが,それらがみな経済学者のせいだというのだろうか? 竹中のように政策をになえないもののひがみにしか,きこえない.
評価: ★★☆☆☆
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