イギリスの事情にくわしい著者が,おもにサッチャーからブレアまでの時代のイギリスの福祉政策や医療制度などについて書いている. 「ゆりかごから墓場まで」 といわれた福祉国家イギリスだが,サッチャーの時代に 「聖域なき構造改革」 がおこなわれて,経済は活性化したが医療制度はズタズタにされた. それを修復するはずのブレアも失策をおかしているという. しかし,そういうサッチャーでも無料の医療制度 NHS まではこわせなかったという.
こういうイギリスの現状をもとにして,著者は日本の現状も検討している. いくつかの提案はあるが,決め手はなく,歯切れはよくない.やはり日本は日本独自の道をさがすしかないということだろう.
評価: ★★★☆☆
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