小泉改革の時計を逆まわししようと陰謀をめぐらす鳩山総務相
最近,鳩山総務大臣はことあるごとに日本郵政バッシングに走っている. まずオリックスへの 「かんぽの宿」 の一括売却をやめさせた. そして今度は東京中央郵便局のたてかえにイチャモンをつけている. つぎつぎに日本郵政に難題をつきつけて,西山社長を追いつめ,小泉改革をダメにしようという魂胆だ. たてかえ問題では世論にきいてみたいなどといっているが,だまされてはいけない.
最近,鳩山総務大臣はことあるごとに日本郵政バッシングに走っている. まずオリックスへの 「かんぽの宿」 の一括売却をやめさせた. そして今度は東京中央郵便局のたてかえにイチャモンをつけている. つぎつぎに日本郵政に難題をつきつけて,西山社長を追いつめ,小泉改革をダメにしようという魂胆だ. たてかえ問題では世論にきいてみたいなどといっているが,だまされてはいけない.
従来の見方にとらわれず,さまざまな面から満洲国をとらえようとしている. 張作霖,張学良などの奉天軍閥の再評価,日本から進出した農家や商人が商売上手な中国人に勝てずに失敗したこと,農業技術の革新ができなかったこと,最近の回想録の傾向など,いろいろ興味ぶかい. 内容がさまざまなぶん感想もまとめにくいが,そういう道教的 (?) な世界だったということだろう.
評価: ★★★☆☆
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ひとが自分の意志で 「身ひとつで」 まなぶ,それが学問のすがたであり,それを役にもたたない本を読む二宮金次郎が体現しているのだと著者はいう. 著者もそういう独学の精神でまなんできたゆえに,この本にあらわれているような 「独創性」 があるということだろう.
しかし,独学にはやはり独断と偏見の危険があるようにおもえる. 同意できない部分も多々あるし,論理的にはよわい. 日本の学校教育のやりかたを否定し,会社や役所の仕事のやりかたを否定しているが,それは極論だとおもう. しかし,現代日本にはびこっている 「エセ学問」 を斬るにはこのくらい凶暴なナイフのほうがよいのかもしれない.
評価: ★★★☆☆
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「思考停止」 をタイトルにふくむ本が 6 冊はあるが,その意味はさまざまである. この本では法令をはじめとするさまざまな規則をその本来の目的などかんがえずに盲目的に 「遵守」 しようとすることをさしている. 最初にとりあげられている食の 「偽装」,「隠蔽」 の問題においては,実質的には問題がないにもかかわらず規則を 「遵守」 していなかった食品企業をマスコミがバッシングし,そのために食品企業のほうもむだをだしても厳格に規則を 「遵守」 せざるをえなくなっている. 著者はさらに,同様の問題が他の業界についても,また司法や行政についても指摘している.
著者はこうした問題の解決策もしめそうとしているが,それは抽象的だったり,すぐに実現できないものだったりしている. 問題がおおきいだけに,容易に解決策がしめせるものではないということだろう. それは読者にあたえられた課題である.
評価: ★★★★☆
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昨年 11 月ごろに山東白菜のたねをまいた. 最近ようやくそれが成長してきたが,それと同時に花芽がついてしまったので,まだちいさいが,まず 1 個,収穫することにした. 花がさくまえに全部,収穫する必要があるだろう.
地球温暖化に関する多数の本のなかの 1 冊である. 「温暖化はウソだ」 という趣旨の本もすくなくないので,本書では現在あつまっている証拠からは温暖化していると判断できるが,それがくつがえる可能性もあることを,かなりのページを割いて,説明している. これは著者が一番いいたかったことではないだろうが,書かざるをえなかったのだろう.
そうしたうえで,著者は温暖化は避けてとおれない可能性がたかいが,それをどうやっておさえるかを論じている. 日本にとってはまず京都議定書の約束をまもらなければならないが,ゲタをはかせられるのでそれは達成可能である (がんばる価値がある) ことを示している. 京都議定書以降についても,「環境も経済も」 両方大事にすることができると書いている.
温暖化に関しては悲観的な意見をもつひと,温暖化そのものがあやしいのでほうっておけばよいという意見をもつひとなど,さまざまである. そういうなかで,著者の意見はもっとも建設的でバランスがとれたものだといえるだろう.
評価: ★★★☆☆
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Newsweek 日本版 2009.3.11 には,東京支局長のクリスチャン・カリルによる 「リーダー不在のポンコツ日本政治」 という記事がある. そこでは地元と無縁な世襲議員がおおいことや,有権者が受け身であることなどが原因として指摘されている. それらも理由の一部だろうが,もっとほかに重要な原因があるのではないだろうか.
最近,本を買うときはたいてい Web をつかっている. 以前はしばしば神田にいっていたが,ほとんどいくことはなくなっていた. 学士会館で同窓会があったついでに 1 時間強,書店をぶらついてみたが,あまりめぼしい発見のないままにおわってしまった.
タイトルをみて,おもわず買ってしまった. しかし,この話題は最初の 20 ページくらいをしめているだけである. 著者は権力者にはありとあらゆる罵詈雑言をあびせるが同士にはやさしい. それは単に敵と味方をくべつして敵だけを攻撃しているようにしかみえない. 彼自身にはそこに論理があるのかもしれないが,それがこの浅薄な文章からは読者に十分にはつたわってこない.
評価: ★★☆☆☆
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タイトルの 10 ヶ条はところどころ列挙されてはいるが,「説明の必要なし」 として説明されていない. C++ についてや数人のひととの対話などから構成されているが,そのテーマは明確でない. 著者は自称 「IT エンジニア」 だが,なにが専門なのだろう. すくなくとも本書の内容からして C++ をよく理解してはいないようだから,プログラマではないのだろう. 著者の立場もよくわからないから,「10 ヶ条」 がだれのためのものなのかもわからない.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: IT技術者として生き抜くための十ヶ条@ ,IT技術者として生き抜くための十ヶ条@Amazon.co.jp.
過去の有名な科学者が書いた本を紹介するというスタイルをとっているが,おもな目的は本よりその著者を紹介することである. 本の内容にももちろんふれているが,あまりページをさいてはいない. 240 ページほどの新書によって 14 人の科学者とエピソード,彼らの著書だけでなく彼らにかかわる最近の本も知ることができるので,すこしでも科学に興味のあるひとには得な本といえるだろう.
評価: ★★★★☆
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ここ半年くらい,家の門のそとにプランターを置いて,野菜をそだてています. とくに最近になって,会えばあいさつをしていたひとだけでなく,近所に住んでいながら,いままで話をしたことがなかったひとからも声をかけられる経験をしました. 自分から声をかけることはないであろう私にとって,このプランター “農園” は近所づきあいをひろげる役をはたしているようです.
現代アートもバブルがはじけたところだが,この本はそれがはじける直前に書かれている. しかしこの本のねらいはバブルについて書くことではなくて,現代アートの価値がわかるひとびとのこと,それがけっしてわかりにくいものではないことなどをえがいている. もちろん現代アートを写真で紹介しているが,カラー・ページがないのは残念だ. もうすこし価格をあげてもカラーで紹介したほうがよかったのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
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日本人はねばりのあるごはん (sticky rice) が好きだ. コメが不足してタイ米が輸入されたとき,ほとんどのひとはそれを敬遠した. しかし,アジアのたいていの国においてはごはんはねばってはいけないものだ. ねばってしまったチャーハンをたべながら,このことをおもいだしていた.
きょう,NHK の 「テレビのこれから」 という番組の一部を 「ながら」 できいていた. 「テレビはインターネットのオンデマンドでとってかわられるのか」 というのがテーマの議論だったが,そのなかで 「ニュースはリアルタイムでみたい」,つまりニュースはオンデマンドでなくテレビでみたいというひとが何人かいた. 私はいまはニュースをハードディスク・レコーダで録画してみているので,すこし不思議におもった.
キッチン水栓に Seagal IV (4) という浄水器をつけて,つかってきた. 最近その水栓の先端部分のあちらこちらに亀裂がはいって,そこから水が噴水のようにもれるようになっていた. もれをすくなくするために何度か修理してきたが,ついにこわしてしまって,交換が必要になった. 先端部分だけ交換できるようだったので部品をとりよせて交換をこころみたが,予期していなかったことがあった. そのため修理にてまどってしまったが,なんとか修理することができた.
2 年ほど前にグアムに行った. 本書でも紹介されているモール内の博物館には行ったが,ガイドブックにも書いてないので,グアムの歴史につながる他の場所には行かなかった. それは,うすっぺらな旅行だったようにおもう. 本書はそういう 「かくされた場所」 をみせてくれる. レジャーをたのしむ日本人は知りたいとおもわないことかもしれない. しかし,現在のグアムの問題点までカバーしている本書は,グアムを観光するときにも 「厚み」 をあたえてくれるのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: グアムと日本人@ ,グアムと日本人@Amazon.co.jp.
よりおおくのアジア人を日本にうけいれる必要が生じてきた現在,アジア人やアジアの文化を理解する必要はたかまっているといえるだろう. 著者は韓国人と日本人とのあいだにもおおきなへだたりがあることを指摘し,アジア人だから容易にわかりあえるというかんがえを戒めている. また,「カルチャー・ショック」 の深刻さについても書いている. アジアだけでなく,ベルサイユ宮殿の 「トイレの謎」 など,欧米とのちがいに関しても興味ぶかいエピソードをとりあげている. 内容は系統的というよりはエピソード的だが,それゆえにおもしろい.
評価: ★★★☆☆
最近,コンビニやスーパーにいくときはレジ袋をもっていくようにしているのだが,もっていった袋ではたりなくなることがある. スーパーへはレジ袋を 2 枚もっていくのだが,いたみやすいものは単独で袋にいれたいので,たりなくなる. 「マイバッグ」 がエコだとおもいこんでいるひとたちは,たぶん 1 枚だけ袋をもっていくのだろうが,こういうとき,どうするのだろう? やはり,たりなかったぶんはレジ袋にいれてもらうのだろうか?
最近,水もれするようになっていたキッチンの水栓を修理したが,一時は修理できないのではないかとかんがえて,交換用の水栓を検討した. それでわかったことは,最近はオールステンレスのものが主流だということである. 修理した水栓を買ったころは,部分的にプラスティックをつかったものが主流だったとおもう. ひとびとの趣味がかわったということもあるだろう. しかし,修理が必要になったのもプラスティックでは耐久性が十分でなかったからだとかんがえられる. ステンレスのほうが耐久性があるということもひとつの理由なのだろう.
著者は日本中に 「思考停止」 したひとがはびこっているのをうれいている. 藤原正彦の 「国家の品格」 を 「思考停止のススメ」 と評し,「ものを考えない」 小泉純一郎にだまされた国民も思考停止しているといい,食品偽装に関しては 「日本の食品には,真実性のかけらもない」 と評している. こうなった原因のひとつとして,思考をきたえない 「偏差値教育」 をあげ,「少年ジャンプ」 もヤリ玉にあげている. 中国,インドをはじめ日本以外の国では学生が必死に勉強しているなかで日本の学生だけが意欲をうしなっていることに危機感をもっている.
興味ぶかい点のひとつは,「いわゆる教養主義は 1970 年前後に消滅し」,「最近では世界のエグゼクティブと言われる人間でも,伝統的な教養をあまり知らない」,だから 「古典的教養」 を復活させるのでなく,ネット社会重視の 「21 世紀の教養」 を身につけるべきだといっていることである.
この本の内容にはうたがわしい点も多々ある. 「思考停止」 してそれを信じるのは著者がもっとものぞんでいないことだろう. 刺激的な著者の意見を自分のあたまでかんがえなおせば,えられるものはすくなくないだろう.
評価: ★★★★☆
新書 1 冊で中世から現代までの西洋音楽史を論じているが,中心は古典派からロマン派の音楽にある. それは,音楽が特定の作曲家の作品として演奏され,おおくのひとに消費された時代の音楽ということだ. 現在でも古典派やロマン派の作品が演奏されつづけているが,もはや特定の作曲家がそれほど有名になることはなくなっている.
これまで,音楽史というのはとおい過去から未来へとずっとつづいていくものだとかんがえてきた. しかし,著者がえがく西洋音楽史は中世にほそぼそとはじまり,古典派,ロマン派の時代にはおおきなながれになったが,もしかすると現代にはきえようとしているながれである. こういうながれをえがくには,新書というメディアが適切だったのかもしれない.
評価: ★★★★☆
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日本語のタイトルをみるとクラウド・コンピューティングの本だと誤解してしまうが,原題は “The Big Switch ― Rewriting the World, from Edison to Google” である. つまり,実際は Google, YouTube など,インターネット上での無償サービスを電力供給サービスと対比し,その可能性や危険を論じている. しかし,第 2 部のタイトルは “Living in the Cloud” であり,これらのインターネット・サービスのほうがいわゆるクラウド・コンピューティングよりもその名にふさわしく,未来をさししめしているのかもしれない.
評価: ★★★☆☆
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白洲次郎が文藝春秋などの雑誌にのせた文章をまとめた本である. 日本国憲法の成立,戦前や米軍占領下の政治にかかわった著者が,政治や政治家などについて,きわめて率直に,あるときは弱点もさらして,書いている. 憲法についてかんがえるときにも,参考になるだろう.
現在の雑誌にこのような文章をのせたなら,たちまちひどい攻撃の対象になってしまうのではないだろうか. プリンシプルの有無をいう以前に,そこに現代の問題を感じてしまう.率直に表現し,率直に読むことをまなびたい.
評価: ★★★☆☆
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