「思考停止」 をタイトルにふくむ本が 6 冊はあるが,その意味はさまざまである. この本では法令をはじめとするさまざまな規則をその本来の目的などかんがえずに盲目的に 「遵守」 しようとすることをさしている. 最初にとりあげられている食の 「偽装」,「隠蔽」 の問題においては,実質的には問題がないにもかかわらず規則を 「遵守」 していなかった食品企業をマスコミがバッシングし,そのために食品企業のほうもむだをだしても厳格に規則を 「遵守」 せざるをえなくなっている. 著者はさらに,同様の問題が他の業界についても,また司法や行政についても指摘している.
著者はこうした問題の解決策もしめそうとしているが,それは抽象的だったり,すぐに実現できないものだったりしている. 問題がおおきいだけに,容易に解決策がしめせるものではないということだろう. それは読者にあたえられた課題である.
評価: ★★★★☆
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