地球温暖化に関する多数の本のなかの 1 冊である. 「温暖化はウソだ」 という趣旨の本もすくなくないので,本書では現在あつまっている証拠からは温暖化していると判断できるが,それがくつがえる可能性もあることを,かなりのページを割いて,説明している. これは著者が一番いいたかったことではないだろうが,書かざるをえなかったのだろう.
そうしたうえで,著者は温暖化は避けてとおれない可能性がたかいが,それをどうやっておさえるかを論じている. 日本にとってはまず京都議定書の約束をまもらなければならないが,ゲタをはかせられるのでそれは達成可能である (がんばる価値がある) ことを示している. 京都議定書以降についても,「環境も経済も」 両方大事にすることができると書いている.
温暖化に関しては悲観的な意見をもつひと,温暖化そのものがあやしいのでほうっておけばよいという意見をもつひとなど,さまざまである. そういうなかで,著者の意見はもっとも建設的でバランスがとれたものだといえるだろう.
評価: ★★★☆☆
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