加藤周一には 「私にとっての20世紀」 という著書もあり社会主義や戦争を中心に議論されているが,「20世紀の自画像」 では戦争はとりあげられているが社会主義はおおきなテーマにはならず,かわりに文学中心の 「戦後思想」 がとりあげられている. プロローグでは科学技術もとりあげられているが,本文ではテーマとなっていない.
本文第 1 部は成田龍一によるインタビュー,第 2 部は成田による解説となっているが,いずれもいくつもの話題のあいだで焦点をうつしながら論じているため,あまり迫力が感じられない. 著者は加藤ひとりということになっているが,議論のながれをつくっているのは成田である. 加藤自身の著書を読むほうがよいとおもえる.
評価: ★★☆☆☆
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