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社会・経済:産業・ビジネス, 書評:社会・経済

アメリカ型資本主義を批判しつつ,かぎられた 「国富」 にとらわれている (?!) ― 原丈人 著, 「21 世紀の国富論」

シリコンバレーのベンチャー・キャピタリストである著者は,ベンチャーを殺すアメリカ型資本主義をさまざまな点で批判し,あたらしい資本主義をつくるべきだと書いている. サブプライム問題が発生してからはアメリカ型資本主義を批判する声はたかまったが,それ以前に書かれた本書は著者の目のたしかさを示しているといえるだろう.

しかし,それではこれからはどんな技術や産業がさかえるのか? 著者はそれを自身が提言している PUC (パーベイシブ・ユビキタス・コンピューティング) という概念にもとめ,それをささえるものとして IFX 理論 (インデックス・ファブリック理論) をあげている. しかし,それらは現在でもあまり知られていないままであり,今後ひろがるようにもおもえない. むしろ,本書ではまったくふれていない 「知識」 や 「知能」 の問題 (Web 3.0) がキーになるのではないだろうか?

著者は現在の情報機器のあいだでデータ構造がことなり互換性がないことを問題点としてあげている. しかし,とくに銀行の合併などで問題になる大規模なシステムの 「非互換性」 をもたらしているのは概念や文化のちがいである. こういう人間的な問題をかんがえなければ,将来有望な技術や産業をいいあてることはできないのではないだろうか?

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 21世紀の国富論@ [bk1]21世紀の国富論@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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コメント (1)

なかなか面白そうな本ですね。

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