朱鎔基は中国に市場経済を根づかせ 「資本主義を不言実行」 した,もっとも注目するべき指導者である. にもかかわらず,日本ではあまり有名だとはいえないのは,著者によれば日本のマスコミが 「痴呆状態」 だったからだという. それでも 1998-2000 年ころには日本でも朱鎔基をとりあげた本が何冊か出版されていた. しかし,私自身,最近まで朱鎔基に注目していなかったので,これらの本も目にとまっていなかった.
江沢民が中国のナンバーワンだったことは,もちろんよく知られている. 江沢民がみいだされたのは天安門事件がおこったとき上海ではおおきな混乱をおこさずにすんだためだというが,それも朱鎔基がいたからだという. 市場経済化にあたっても地域ごとに具体的な指示をだし正確な数値の報告をもとめたという. また,自分がだした指示にあやまりがあればすみやかにそれをみとめて補足したという.
私はまだ朱鎔基に関する本をこれ 1 冊しか読んでいないので,これが彼を知るのに最適かどうかはわからない. しかし,この本を読めば朱鎔基がどういう人でありどういう経済政策を実行したのかをいろいろな角度から知ることができる.
評価: ★★★☆☆
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