内山 悟志 著 「名前だけの IT コンサルなんていらない」 という本には,「脳を活性化させる 「多読」 のススメ」 という,かこみがある (p. 82). そこには,つぎのようなことが書かれている. 本の著者は 「どんなに知識や経験を注ぎ込んでも,12 万文字 [1 冊分] が埋められない場合があります. そんなときは,一般的に著者は 「水増し」 をします. つまり,書籍のテーマとはある程度関連するが本題ではなく,参考程度の情報を付け加えるのです. 水増し部分を見極めることができたら,その部分を読み飛ばせるため,多読も容易になってきます.」 いわれてみればそのとおりだが,かんがえたことがなかったし,こういう話を読んだこともなかった. これは達見だといってよいだろう.
読書でむだに時間をつかうことがないようにするには,本のなかで自分が必要としない部分は読まないようにすればよいということは,よくいわれる. しかし,著者にとっては重要な部分なのに自分にとっては不要なようだから捨てるというのでは,あまりに自分勝手な読みかただとおもえる. とくに,読んだ本の書評をアマゾンなどに書こうとおもっているときには,こういう読みかたでは,ひとにまちがった情報をつたえてしまう可能性があるだろう. そういうわけで,自分が必要としないから読まないということを私はさけるようにしている.
しかし,そもそも著者がオマケとしてつけた部分なら,よまなくても著者の意図に反することにはならないだろうし,書評がかたよることもないだろう. これからは,オマケだと気づいた部分は捨てるようにしようとおもう.