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XML 自動生成で人間はバカになる ?!

XML データをあつかうとき,それを自動生成するしくみがよくつかわれる. そもそも XML の構文じたいが,人間が読むのに適しているとはとうていおもえない. 自動生成によって生産性が向上するのはよいが,つねに自動生成にたよる,自動生成しかできないようでは,人間はバカになってしまうのではないだろうか?

プログラムに関しても,最近では IDL (Integrated Development Environment,統合開発環境) がよくつかわれ,とくに GUI (グラフィカル・ユーザ・インタフェース) の開発においては GUI 部品を視覚的に編集することによってプログラムを自動生成するしくみがひろくつかわれるようになっている. そうやって自動生成されたプログラムは,通常,人間が手でかいたものにくらべるとはるかによみにくい.

XML はテキストとして記述されるので,バイナリ・データとくらべて人間にあつかいやすいといわれる. しかし,XML によって記述されたデータやプログラムは,XML で表現されていることによって,すでによみにくい. その理由のひとつは,XML 表記に使用されるアングル・ブラケットはそもそも数学記号としてつくられたものなので,視覚的には括弧らしくないことである. また,XML の冗長さは処理するときにも問題になるが,よむときにも本質的な部分に目がいきにくいし,かくのに時間がかかるという問題点がある.

XML だけでもよみにくいのに,SOAP のような XML 上の言語はさらにこみいったしかけを導入することによって,さらによみにくく,かきにくくなっている. テキストを使用することによって人間にとってあつかいやすくしたはずなのに,これではその利点をいかしているとはいえない. 単純な XML 構文にしたがう言語はまだ手でかくことができるが,SOAP ともなると,かんがえながらそれを書いていくということはほとんど不可能だとおもえる. したがって,SOAP をつかうときには自動生成にたよらざるをえない.

しかるべき自動生成のしくみをととのえて,それが思考のツールとしてつかえるようにすればよいともいえる. しかし,標準化されているのは SOAP であって,自動生成につかわれる言語には非標準のものがつかわれる. 自然言語でも英語,日本語といったある意味でスタンダードなものがあるゆえに 「ツール」 としてつかえるようになっている. だから,個人やちいさなコミュニティのなかでしかつかえない言語が,人間どうしのコミュニケーションにおいてはもちろん,ひとりのひとにとっても思考有効なツールになるとはおもえない.

そうしてみると,やはり SOAP のように人間が直接あつかえない言語だけが標準化されると,思考にもコミュニケーションにも支障がでるとかんがえられる. そして,それによって人間はバカになるようにおもえる. こんなことでよいのだろうか?

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コメント (1)

匿名:

バカじゃないの?

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