複雑系に関するやさしい話から数学的な話まで,さまざまな内容がいりまじっている. 数学的な話を理解するには基礎的な説明が必要だが,そのためにところどころ,「次元とは」,「対数とは」 といった基礎的な話もおりまぜられている. とはいえ,これだけでは初心者が理解するにはたりないだろう. それが 「雑学」 だといわれればそれまでだが… この本には第 2 版がでているが,最後に 10 ページくらい追加されている以外は,目次をみたかぎりでは変化がない. 理解しやすさもあまりかわっていないと想像される.
この本でひとつ不満な点は,この本でとりあげられている 「複雑系」 は比較的かんたんに計算できるものがおおくて,なぜ近年になって複雑系が 「大ブーム」 になったのか,その理由が書かれていないことだ. ライフゲームなどが複雑な挙動をすることは 40 年以上まえからしられていた. しかし,そういう複雑系の性質がよくわからなかったのはコンピュータの計算能力がひくかったからだ. コンピュータがはたしたやくわりについて書いてほしかったとおもう.
評価: ★★★☆☆
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