プレゼンテーションなどの際には文章ではわかりにくい要素や要素間の関係を図解するとわかりやすい. この本では図解の要素としてまず○△□などのかたちをとりあげ,つぎに矢印や線など,それらを関係づける方法を論じている. そのあとで論理思考を 「図解の説得力を高める」 ものとして論じている. これは順序が逆だろう. まず論理があって,それを直観的にわかりやすくするために図解があるはずだ.
この点にかぎらず,この本においては 「論理」 がよわいとおもえる. MECE を 「モレやダブリのない状態」 と説明しているのはよいが,それを論理学の用語と紹介したり,不適切な例をあげているのもそのひとつだ. ひとを説得するには論理がしっかりしていることがまず必要だろう.
図解の入門書はいろいろあるので,他の本をえらんだほうがよいだろう.
評価: ★★☆☆☆
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